倉敷からはこう見える
企業と風土の文化政策・倉敷と大原美術館を観察する

財団法人大原美術館理事長の大原謙一郎さんの講演を聞きに、同志社大学に行ってきました。
いつものように切れの良い口調で西国町衆市民社会文化論に関して1時間半の講演は、
あっという間に終わりました。何時間でも熱弁を聞き続けられそうです。

神戸に生まれ、京都で育ち、倉敷に暮らしている。
三都市の共通点は町衆社会。

初めてお会いしたのはもう10年以上前。いつもエネルギッシュ。その元気の源は、
「公益法人は公益価値を極大化し、そうするべく経営していると信じているのが経営理念」と、
堅く信じ、日々活動しておられるからでしょうか。
以前こんな企画をしたときにも地方の心意気を語っていただきました。
その頃とちっとも変わっておられない。熱く道を説く君です。

文化(ミュージアム)は働く
「クリエーションと生活クオリティ」X「異文化の融合と日本の風格」
久留米、米沢、愛知、諏訪、浜松などなど繊維産業のさかんなところから産業が興り、文化も創られていった。日本を創っているのは、地方のDNA。

フランスは国立。
ルーブル美術館は国威発揚、オルセー、ポンピドーは文化熟度を知らせ、ケ・ブランリーは世界を分かろうとしているフランスの姿勢が分かる。

アメリカのポール・ゲティは資産家が作ったまさにアート遊園地。英国のテート・モダンは国立。その周辺は観光客で賑わい、経済効果が高い。

文化政策は地元の価値を高めるものでなくてはならない。
文化政策に携わるものは、文化のグランド・キーパーであって欲しい。
制度を整備する節度と中味に手を突っ込まない禁忌。
文化施設は単なる集客ホールではない。集客数だけで評価をしてはならない。

ローチェスターはゼロックス、コダック、ボシュロム、コーニングなど「見る」ことに関連する産業クラスターがあり、The World's Image Centreという別名がある。この産業クラスターがテコになり、教育が充実し、私立美術館や音楽ホールができている。このようにインテリの大人が楽しめる文化装置があると留まって欲しい人に留まってもらえる。

大原美術館は観光資源でも政策手段でもなく、自分達の「使命宣言」を創り、美術館を磨き、その価値を高めるべく働いている。

地方主権や新しい公共は、地方にいる自分達が努力して創っていくもの。
東京発のメディア情報だけで判断してはいけない。
地方はクリエーションのエンジンである。

自由闊達な市民社会が形成されてきた倉敷。
そこから見えてくるものは?
詳しくは大原さんの著書『倉敷からはこう見える 世界と文化と地方について』をお読みください。(今日はこの本に大原さんのサインをいただきました。)
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by sdo-asanoya | 2010-06-11 23:23 | ことば
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