「ほっ」と。キャンペーン
馬路村、上勝町視察
おうみ社会起業塾
四国馬路村、上勝町視察ツアー。

百聞は一見、一食、一触にしかず。
バスに揺られながら着いた先は、地域の資源を見つめる修験者の「気」を感じる場。

d0004627_2354102.jpg●高知県馬路村 人口1,000人
馬路村へは、高知市内から国道55号を安芸・室戸方面に約51km、1時間20分で安田町へ。
そこから県道12号安田東洋線を約20km、30分で馬路村着。海辺の道を峡谷を曲がりくねりながら、棚田や川辺のユズ畑を抜けて行き着く、山の中。


d0004627_23495463.jpgレクチャーをしていただいた東谷望史さん(馬路村農業共同組合 代表理事組合長)は、私が以前企画参加した「地域産業おこしに燃える人サミット in Kyoto 2004」にも参加されていて、夜塾があった7月の暑い京都の旅館で飲んだ「ごっくん」の味を思い出しました。



年間30億。市町村合併をしない村の心意気。「観光カリスマ」と「地域産業おこしに燃える人」のダブル受賞。

○閑話休題
少し話は、それますが、柑橘類といえば、「地域産業おこしに燃える人サミット in Kyoto 2004」でスピーカーだった福田興次さん(株式会社福田農場ワイナリー代表取締役)のパワーポイントなしの言葉つむぎも、印象に残っています。一度福田さんのワイナリーに行ったことがあります。オレンジを見つめて、見つめて、考える。その先には幾枝ものアイデアや構想。山を抜けると不知火海を一望できる高台にある農場で、スペインかと(カリフォルニアにも似た)思える青い海と空と立体感豊かに営まれる柑橘類の楽園。パエリアを福田さんと食しました。戦争から帰ってきたお父さんが何もないところからはじめた農園を観光農園として盛り上げ、今では農園の枠をはみ出す地域おこしの達人。ニコニコ笑顔の奥からどんどんアイデアが湧きだす様子でした。
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さてさて、話は、馬路村へ。まずは、馬路村農協の現場へ直行。木のぬくもりいっぱいのしゃれた館を抜けて、製造工場へ。
ここでは、ユズから果汁、皮、種、その他肥料として使うカスと取りわける工程を見学。





d0004627_23512931.jpgユズから果汁が取れるのは、わずか15%どまり。ちょうど年一度の収穫の時期で一年分の各種加工品の原料を分けだすとあって、生産農家のトラックが次から次へと来ていました。それにしても殺気だってた。

馬路村は、96%が山林。人口約1,000人。
海外からの木材輸入で、林業では生計が立たず、これからどうするかという危機感からのカムバック。

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「ゆずの森構想」
「商品を売る」から「村を売る」へ。

ちょうど役員交代の時期で、営業課長から役員へ、村の「ばか者」の行動が力を発揮できるようになり始めます。50年育てた木が金にならない山間地。海外価格を国内価格にしてから、買う動きがあるとか。

東京や大阪まで自分たちで商品を夜トラックで都会に運び、販売し、客の変化や販売方法を探る。
ゆず絞り汁だけでなく加工品の開発へシフト。
今では村外から農協職員を公募しており、自分の意志で働こうとする人たちのモチベーションは高く、村人を刺激しているそうです。

果汁は飲料水や冷凍にしてその他の加工品に。皮はジャムや七味・胡椒に、種は化粧水。残ったものは肥料にして農家に配布とユズを捨てることなく利用します。

手作り感を大事にし、工場を大きくするにあたっては、見学も中二階からよく見えるようにして、来てもらえる工場になるように工夫を凝らし、箱詰めの女性の帽子やエプロンも白に和柄の花模様。トイレは消毒しないとドアが開かない仕掛け着き。

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ポスター展示版や「ようこそ」の立て札の演出も廃材を利用したもの。






















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馬路村といえば、ポップとイラストの統一感が際立っています。
デザイン料は年間契約にしてあり、その分、気にかけてくれる提案があり、粋なポップは主に東谷さんがデザイナーと話し合って、しているそうです。去年と今年の販促パンフレットの違いなどの説明があり、なるほどと納得。このあたりは行った者だけで共有しておきたいみあげ話。

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視察の時は、ちょうど雨だったのですが、お天気ならどんなにブランチが気持ち良いかと思えるデッキや鉄道廃材を利用した歩道など、今度はぜひお天気の時に行きたい。

あたり一面、ユズのほのかな香り。この香りだけで、長生きしそう。
ポップとイラスト、ユズの香り、森林浴。

d0004627_22252979.jpg森林鉄道。私はこれに乗りたかった....













宿泊先のコミュニティ・センターうまじの温泉は肌に優しいしっとり湯。
ここも木の温もり感あふれる建物。それぞれのお部屋にデッキがあり、川面を見ながらの読書なんて良いだろうな。

d0004627_2352556.jpg●人口2,070人徳島県勝浦郡上勝町
「狐七化け、狸の八化け」
徳島市から勝浦川沿いの道を路線バスで2時間。標高100~700m、棚田が美しい農林業の町。山に張り付くような家々。


平成17年374団体、23,833人が視察に訪れています。
ここは、すだちと並ぶ、酢みかん『ゆこう』で作った「彩(いろどり)くん」で勝負。

2003年度ソフト化大賞受賞した株式会社いろどりで有名。
代表取締役副社長の横井氏知二さんにレクチャーをしていただきました。
「地元の人間では甘えが出る。大きな事業をするには絶対よそ者でなかったらいかん。」
という当時の町長さんなどの英断で横石さんをゲット。

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ここからは、横石さんのお話の抜粋です。












10月に六本木ヒルズで講演された時よりずっと土地の言葉を交え、今回の視察参加者の意識を配慮しながらのお話でした。さすが!
26年前の上勝町は男は酒、女は愚痴。
・負け犬的な言語。
・役害では仕事ができない。
・人の批判が日常的。
・あきらめの強さ。
・女性の出番がない。
・時間に対しての感覚のなさ

○町民の意識を変えるような仕組みや組織を育て、町を活性化させる。
「個」を育てる=自分性の演出。

○好循環を創る
自慢できる (これがある、これができる)
自信 (外から70% 視察やメディアで自分たちが認められている)
行動 (内30%)自分で言ったことに責任を持ち、行動する。そしてそれが外から高く評価される。
求められる自分の発見。

○無駄事に金を使わない
【ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言』
可能な限りの再資源化を目指して2001年からごみの35分別を開始(2002年7月より34分別)し、一般廃棄物の 80%のリサイクル率を達成してきました。2020年までに焼却、埋め立てにかかるごみをなくす最善の努力をすること。全国最多の34分別で、 一人が一日に出すごみの量は全国平均の1/3。NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーも設立されました。
【産業福祉=雇用福祉】
「自分が主役になれる」という競争とおとうちゃんにいわなくても孫になにか買ってやれるという金銭的自立による心と体の高揚が寝たきり老人がほとんどいない町へ変身させ、老人福祉予算も徳島平均の半額。

○地域の資源に投資する
【木質バイオマス】
未利用木材を木質バイオマスとして利用し、月ヶ谷温泉の温泉チップボイラーを稼動させている。
【移送サービス】
高齢交通弱者対策として、移送サービスは「構造改革特区」(2003年5月認定、町社協が
委託運営)によって、1km100円で町民が利用している。

○1Q運動 人材育成 自分で考える人間づくり
自分たちで考えて計画し、自分達の欲求で事すれば苦痛にならないという原理。
1Q(いっきゅう)とは、町民が一休さんのように、問題(Question)を考え、知恵を使ったまちづくりを進めることを目指してつけられたフレーズ。
【1Q塾】
住民参加による「まちづくり1Q塾」、職員による「職員1Q塾」、
【1Q運動会】
39歳未満の若手や女性を必ずメンバーに加えた委員会による地区毎の運動会
運動会は、若者向けの職場の確保と農林業等への波及効果をねらった第3セクターを5社設立しており、100人程の雇用の場を確保している。
(株)上勝バイオ (しいたけ生産の中核施設) 
(株)かみかついっきゅう(農村都市交流センター等運営)
(株)ウインズ(測量、環境調査、設計、まちづくりコンサル)
(株)もくさん (木材生産、加工、林業労働者の確保)
(株)いろどり (農産物企画販売、情報システム開発・販売)

NHK朝の連続ドラマ「なっちゃんの写真館」のモデルになったことで知られる立木写真館は、創立123周年を記念して、自費出版本「いろどり、おばあちゃんたちの葉っぱビジネス」を出版しました。横石さんにお話いただいた月ヶ谷温泉「月の宿」にも、元気をもらえる写真が壁のいたるところにあり、それぞれの良い顔から元気をもらえます。

今回お話いただいたパワーポイント資料の多くは、彩事業の視察対応用資料CDデータとして、月の宿で売られています。

(株)いろどりは、木の葉や小枝を料理に添える「ツマモノ」ビジネスで、今ではあまりにも有名。
上勝は、木材とみかんの産地として発展してきましたが、木材市場は低迷し、昭和56年には異常寒波によりみかんが枯死し、町は大打撃を受けたどん底からのカムバック。やはりドラマは必要です。防災無線と家庭のファクスを生かした情報システムで全国の旅館からの販売を実現。

横石さんのレクのエッセンスは、1)自分を活かせる場づくり、2)地域資源の利用、3)内外に伝えるコミュニケーション力です。原材料加工ではなく、資源に価値を持たせ生産者が豊かになるように考えなくてはという言葉は印象的でした。

パワーポイント資料を販売しているのも、少しでもどん底から這い上がってもらえたらの思いから。でも、「過疎の町は1,2年で死ぬ。」もう呼びかけても起き上がらない地域もあるというお話には、胸がつまりました。出張帰りであまり寝ていないにも関わらず、時間を延長してのお話は、今回の視察参加者の方々の熱心に吸収しようとする波動と少しでも何かを変えようとしている人がいるという思いから。地域リーダーから地域プロデューサーが求められる時ともおっしゃっていました。

「教え込む」のではなく、聞いてみたくなるしかけづくりが大切。
学ぶこと多き視察旅行でした。

長いバスツアーにも辛抱強かったW太郎くんのオカンの四レンチャンのブログもお楽しみあれ。
http://sandgasa.exblog.jp/m2006-11-01/#4991031
http://sandgasa.exblog.jp/m2006-11-01/#4997540
http://sandgasa.exblog.jp/m2006-11-01/#5006045
http://sandgasa.exblog.jp/m2006-11-01/#5010132
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by sdo-asanoya | 2006-11-22 23:47 | 新しい寄付文化の創造
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