第8回かんさい元気人リレートークから
「社会企業の源流を探る ― 志を起業に」 10/19(月)は、かんさい元気人リレートーク第8回。 社会起業の源流を探る 『ウィメンズブックストアものがたり 女の本屋の物語』の著者中西豊子さんと語ろう 一般の人にもお呼びかけしての久々の勉強会でした。人数限定で町家でお話を伺うのは、毎回ゲストのお人柄にも触れられていいものです。もっとも、大御所をお招きして少人数というのは申し訳ない側面もありますが。 志を仕事に! 第8回「かんさい元気人リレートーク」には、平等とはなんぞやという問いに何十年も取り組んでおられる中西豊子さんにおいでいただきました。 京都府の男女共同参画センターのHさんからのご紹介で、袖すりあうも多生の縁と、中西さんにお出会いしました。社会性と事業性をうまくブレンドさせて活動している中西さんにお話をして欲しいと願いし、今回おいでいただくことになりました。 リレートーク当日は、KSEN代表の川本から、1)ご自身と長年の活動、2)女性問題、3)これからの展望などに答えて欲しいと打ち合わせ。それを予感したようなレジメでした。 相手の欲するところを的確に読み込みながらの資料出しや話の組み立てなど、見習うこと多しです。 中西さんのレジメをもと「私流」の報告です。 (*や( )は私のコメント) 『ウィメンズブックストアと私(問題意識を仕事に)』 ☆自己紹介編 主婦の私の中でざわめく自分。 いろいろな勉強会に顔を出し、ネットワークが広がっていく。 そうこうしていくうちに日本で最初の女性問題専門書書店設立。 学校やその頃建ちかけていた女性センター、女性問題研究家等への営業。 腱鞘炎になるくらいの自筆PR。 賛同者には会員よびかけで4,000人が集まり、その方々が買い手になった。予約販売も取り付けて、女性センターの図書や女性政策に関するアドバイス、企画運営などなど。フェミネット企画も立ち上げ、ブックストアーと企画会社の運営を行う。 (現在日本各地で子育て世代の女性たちが会社を起こしている原型がここに。) ボランティアも精力的に。「おんなのフェスティバル」10年間。日本女性学研究会の事務局担当。1989年「高齢社会をよくする女性の会・京都」設立。介護保険に関する署名活動。2009年5月NPO法人Women's Action Network(WAN)設立。認証NPOも視野に入れ準備中。 ☆問題意識 人口の2分の1の女性の能力が開発され活かされる社会を目指して。 女性を枠の中に閉じ込めないで。男性も同じ。 女性の人権問題は、男性にとっても大きな問題。 世界比較 日本の学歴は第3位。 日本の男女平等の度合いを指数化したジェンダーエンパワーメント指数は、年々下がっている。 (国会議員、管理職、専門職・技術職に占める女性の割合及び男女の推定所得格差を用いて算出) --------------- 行政施策トピックス/国の施策紹介 日本のジェンダー・エンパワーメント指数 内閣府男女共同参画局総務課 2008年は、108カ国中58位。 他方、同時に発表された、「長寿」「教育」「所得」により人間開発の達成度を示す人間開発指数(HDI)では179か国中8位でした。これらの指数からは、人間開発の達成度では実績を上げていますが、女性が政治経済活動や意思決定に参画する機会が不十分であることが分かります。 *『経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について』内閣府 ------------ ☆社会は日々変わっている―経済のグローバル化 IT 社会のスピーと世界的高齢化 社会の動きを見つめ、飲み込まれないように。でも、社会に追いつけ。 個人の起業が難しい日本。 銀行の意識改革は進まず、何度も苦々しい思いをした。志を担保にできなのか。 起業に対しての回りの無理解も相当なもの。 *各地のNPOバンク、市民ファンドなどの動きは、まさにこういう状況を打破するべく、うねりとなっていますね。 ◎だからこそ、人のネットワーク 起業や経営感覚は、京都の室町近くの白生地問屋の家に生まれたという幼い時に吸った空気があったからかと思いますが、中西さんによると、 事業に向いている人 は、「前向きな性格」X「楽天的という思想・哲学」X「努力」。 学び続ける好奇心を持ち隣人を愛せよ(隣のだんなさんを変えられずに、世界の男性を変えられない)、節度ある言動。 京都の良さは、街をきれいにするマナーがまだ残っている。京都で起業したからこそ、観光や学会など何かの機会に来てもらえる。 ============ リレートークでの質問:女性専用列車って必要。 答え:ちかんの実態を知れば、こういう列車も必然。 つぶやき:そういう質問がなくなる社会を創くろうよ。 夫婦別姓の議論も同じように思う。夫婦別姓が必要なのかとの意見がいつもある。選択肢を広げる。それでいいのでは。家という概念のべき論では捉えきれない人々の営みのチョイスが増えるということだと思うですが。 (自問自答) リレートークでの質問:フェミニズムって何。 「個人を尊重する社会」をつくることが大事。 「世帯」→「個人」への発想転換ができないのか。 ------------ 中西さんのレジメの中で紹介された本。 現在の社会の様子を知るのに新書は便利な案内人。 『少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ』山田昌弘、岩波書店、2007年 『財政のしくみがわかる本』神野直彦、岩波ジュニア新書、2007年 『反貧困』―「すべり台社会」からの脱出、湯浅誠、岩波新書、2008年 『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』本山美彦、岩波新書 『ルポ雇用劣化不況』竹信美恵子、岩波新書、2009年 『ウエブ時代を行く』梅田望夫、ちくま新書、2007年 『ポスト消費社会の行方』 辻井 喬、上野千鶴子、文春新書、2008年 『怒りの方法』辛淑玉、岩波新書、2004年 ------------ 志を仕事にする矜持を持て。 勉強せよ。人間力向上には本を読め。 いろいろな要素が相乗効果を生み出してこそ、チャーミングになれる。 裏切らない。有言実行。苦楽しいの連続。 稲穂も重くなればなるほど、頭を下げる。 人間、いくつになっても学び、実践し、可愛いいと思われないと。 今もICTやハングル語の習得と日々進行系でチャーミングな中西さんの後を少しづつでも追っていきたいと思います。 川本さんのブログも参照してください。
by sdo-asanoya
| 2009-10-26 10:50
| 新しい価値の創造
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浅野令子 (Asano Reiko)
Many voices, one community ともに暮らそう 人間死ぬまで現在進行形。生涯現役を目指そう! 求められる自分になる! しなやかにnew public さりげなくnew governance ------------------ 【おすすめLink】 京都ソーシャルアントレ会 Social Innovation Japan 町田洋次の社会起業家・エッセンス 川本卓史京都活動日記 大室悦賀さんのソーシャル・イノベーション備忘録 田辺大さんの社会を変えよう - 社会起業家入門 そふ そふこ 渡邊倫久さんのBlog 以前の記事
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