CSR10月24日 2億5千万の子供
◎第1回講演会
 テーマ:「CSRの新しいながれ」
 ~サプライチェーンマネジメントと中国を含むアジアの事例を踏まえて~
 日時 :10月24日(月)14:00~16:00
 場所 :ぱるるプラザ京都 4階会議室(京都駅前)

このセミナーの趣旨は、企業・NPOが社会的に果たすべき説明責任、およびそれをステークホルダーがどう評価するかを考え、アジアに進出する日本の企業は数多く、グローバル企業としての労働CSRの方向性が問われているため、SA8000の視点から関心の高まるサプライチェーン・マネジメントについて考えというもの。つまり企業のCSRとSAI8000にまつわるお話。

アリス・テッパー・マーリンさんは、1969年に設立された社会的責任投資(SRI)の元祖で、100万部のベストセラーとなった「Shopping for the Better World」の出版で有名なCEP(Council on Economic Priorities)、97年に設立されSA8000の認証(児童労働、強制労働禁止の認証基準)で有名なSAI(Social Accountability International)の創設者。1986年に今回と同様国際交流基金の助成を受けて、日米協会が招聘したので、今回は2度目の来日。

ILOの調査によると、2億5千万の子供が教育を受けられないといわれています。
教育を受けられないために貧困の連鎖は、児童労働から始まり、大人になってもその連鎖から抜け出せるはずもなく、したがって、 児童労働や強制労働に関する世界的基準を広げることが重要とマーリンさん。Social Accountability International (SAI)の国際労働基準SA8000のコア要素は以下です。国内、国際両方の労働法を守っています。
・児童労働の禁止
・強制労働の禁止
・健康と安全
・結社の自由
・差別からの自由
・懲罰の禁止
・適正労働時間
・適正報酬

一度認証を受けると3年間有効で、その後は半年後とにチェックが入ります。SA8000の認証を受け入れは45カ国、 52産業、 710の職場、436,623人の労働者をカバーしています。さらにもっと多くの認証を受けようとする企業があります。

イタリア:イタリア生協
アメリカ:エイボン化粧品
アメリカ:ドール・フード・プロダクツ
スイス:ヴォーゲル
アメリカ:トイザラス
アメリカ:ティインバーランド
アメリカ:ギャップ・・・・・等々

雇用主にとって、信頼のおけるサプライチェーンで得られるメリットは
・リスク管理がうまくいく
・消費者の要求に応える
・離職率の減少
・事故が減る
・生産性・品質を上げる

ベトナムの若い子供たちがガラス工場で働いている写真はショッキングでした。溶けたガラスがバケツに入っています。一日中働き、サンダルを履いて危険なワイヤーや割れたガラスが散らばる工場で働くのです。子供たちは、このような状況で事故をして怪我をし、障害をおうと、解雇され、社会に戻っていくこともできないという状況になります。工場の外には、仕事もなく、学校にも行けない子供達が、たむろしているそうです。

このような状況を許せばブランド企業・多国籍企業にとってリスクになるでしょう。
・ブランドに悪い評価がつく
・離職率があがる
・不良品の増加

事実、GAP、NIKE、チキータ等は世界的な非難を受け、ブランド回復のため、ある種免罪符的にCSRに取り組みだす。こういうブランドのことをbitten brand(ルイ・ビトンにひっかけて)とアリスさんのご主人は名づけているそうです。ボディ・ショップやベン&ジェリー、ティンバーランド等はニッチ市場獲得のためのCSRでbuilding brand。リーボック、チキータ、ギャップやシェルは、社会的非難を受けるためにdefending brand。

SAIの今年の年次総会で、ドイツのオットー社(世界最大のダイレクトマーケティングの会社)
のヨハネス・マーク氏が4つの予測をしたそうです。それによると、
・社会、生態系を元にした品質管理が10年間後には最先端だろう
・現実にそくした認証が認められるだろう
・NPOの役割が変っていくだろう
・サプライヤーも取引先ではなくパートナーになるだろう

日本ではイーオンともう一社がSAI認証を受けているに過ぎず、今回も経団連やオムロン等との意見交換の機会を設けて、精力的に動かれていました。日本の後は中国でのタフネゴシエーションが待っており、空き時間には、キンコーズでSAIとメールで仕事。

中国は世界でも厳しい労働法を持っているにもかかわらず、遵守されておらず、SA8000認証を受けようという動きと外国思想持込反対のムーブメントがぶつかっているそうです。

インドやブラジルなど、自国でリーダーシップを握る会社が、積極的にCSRを展開しているが、市民、メディア、NPO・NGOの声も必要。日本でも市民パワーをと、強調されていました。
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マーリンさんのご主人ジョンさんと今回企画で大活躍の龍谷の溝部さんと同志社の金田さん
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by sdo-asanoya | 2005-10-27 19:49 | ソーシャル・アントレ
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