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地域創業力
「倉敷の私立美術館経営現場からの報告~文化、地方、公益、
非営利事業制度と経営等をめぐって~」というテーマで、敬愛する
大原謙一郎氏(財団法人大原美術館理事長)がお話されると聞いて、
大阪大学で開催されたNPO研究フォーラムに行ってきました。

「民が担う公 NPOと行政・政治 ~アンケート結果から~」
田中弥生氏(東京大学社会基盤学科/社会基盤専攻助教授)
こちらも大変興味深い話だったのですが、また別立てで。
田中さん 相変わらず、おきれいでした!

ひさびさの大阪です。JRの宣伝では「三都物語」と神戸、大阪、
京都のプロモーションをしていましたが、それぞれ独立国のごとく
特色のある地域。大阪はたまに行きますが、神戸には何年も行って
いない。また関西州構想も以前から根強くありますが、
関西=大阪と思っている人も多い中、どうなっていくのでしょうか。

さて、大原さんのお話に戻しましょう。

大原さんはかねがね、関東武家文化の語る経済や文化でなく、
地域主権の民力や地域の創業力の重要性を説いておられます。
全国各地で生まれた事業が時を経て、国を背負う起業に成長する。
例えば、京都、岡谷、諏訪、浜松、久留米、米沢、倉敷などなど。

おいしい水のあるところに人が集まり、文化が生まれ、やがて産業集積が
行われる。地場産業や伝統産業から近代工業を育てるのは、やはり文化力
(審美眼)のある町衆の住む地域。美しさを「はかる」(図、計、測、量)
ことが身についているところというべきでしょうか。
美(esthetic) と精密さ(precision)。

アメリカのパブリックサポートテストのようなものではなく、記述的評価がでるのではないかとのお考えで、フォーラムでは雛形の説明をいただきました。
認定NPOの要件に関しても議論が分かれます。

ミッションオリエンテッドなNPOのディスクロージャーの雛形素案は、
財務諸表ベースではなく、記述スタイル重視。
全体のトータルミッションステートメント、アクティビティーリスト(活動報告書)
エヴァリュエーション(評価)とアクションプラン(行動計画)の明示、
有識者等によるエンドースメント(承認)の4段階。

月間ミュゼで、「今こそ、文化が汗をかくとき~第三創業期をゆく大原美術館」
という特集があり、美術館の沿革や現在の活躍、マネージメントに関して
まとめられているので、ぜひ参考にしてください。
大原さんは2002年に「倉敷からはこう見える」を出版され、光栄にもご本を
送っていただきました。こちらもあわせて読むとNPO、社会起業、まちづくりに
関する地域力はどうあるべきか参考になります。

「倉敷からはこう見える」を読んだ後に、仕事で大原さんに会いに行く機会に恵まれ、
大原さんに美術館のプライベートツアーをしていただきました。
なんとゴージャス、至福の時間。しかし、私の薄学さに大汗でした。

70年代の国鉄「ディスカバジャパン」キャンペーンから80年代と
入館者は増え続け88年瀬戸大橋開通で125万人。それからは
阪神大震災、バブル崩壊で入館者は減り、99年ごろは60万人まで落ち込む。
それを裏付けるようにANNON族の私と20年代で比べると、明らかに、
倉敷、大原美術館の印象の濃さが違います。

現在は、第三創業期として、大原理事長、高階館長の強いリーダーシップの下、
画期的な企画を展開されています。こどものワークショップやコンサート等地域との
接点も大事にされています。

○スケジュール調整ができず行けなかった、平成15年度 秋の有隣荘特別公開
有隣荘・中川幸夫・大原美術館」 の様子がwebで紹介されています。

NHK新日曜美術館で中川幸夫さんの越後妻有アートトリエンナーレ2003のプレ・イベントが紹介されました。空中から20万本のチューリップの花びらを散華した『天空散華』。
新潟県十日町市 信濃川・河川敷に、ヘリコプターから15万本以上ものチューリップから
採られた花びらをまき、色とりどりのチューリップの花びら舞い降りる河川敷で、
95歳の舞踏家・大野一雄 さんによるパフォーマンスが行われるというとんでもないイベント。
越後妻有アートトリエンナーレも、とてつもなくスケール大きい企画ですね。
21世紀の瀬戸内文化交流
金刀比羅宮・大原美術館 第1回文化交流展
大原さんが金刀比羅宮・大原美術館の関係のお話をされていましたが、webを読んで、その背景や意義がわかりました。

金刀比羅宮文化顧問の田窪恭治さんのインタビューも、アートと人の関係を示唆してくれるものです。「ほんまもん」に触れる幼児体験は大切ですね。

○指定管理者制度
全国的に美術館、博物館も指定管理者制度((市議会の議決を経て指定され民間事業者を含む幅広い団体(指定管理者)に委ねる制度)を導入し始めていますが大原さんは、数年単位で指定管理者が変わると学芸委員のように長い経験が必要なポジションも流動的になり、長期的な質の担保がどうなるかと懐疑的でした。指定管理者制度はこれから数年かけて試行錯誤が行われます。その期間にしっかり得るもの、失うものを見ていくのが新しい公の協同作業。改革が破壊にもつながることから、何のために指定管理者制度を導入するのか座標軸を見失わないように。
by sdo-asanoya | 2006-02-09 17:27 | 新しい価値の創造
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